COLUMUN

 
おはようございます。
本日から1年の大会のスケジュールがスタートします。
それに際しまして、改めて『強い』とはどういうことかという事を伝えておきたいと思
います。
皆さん、強くなりたくて武道と関わっていると思います。なので『強い』ということが
どういうことなのかという事を正しく理解しておく必要があります。
『強い』ということについて、色々な考え方があると思います。その中で何が正しいと
いう気はありませんが、私は”あるべき姿でいること”を『強い』と定義しています。
その前提から、今日も人間についての話をさせていただこうと思います。
今日もみんなで大会という一つのものを作り上げています。そういった”みんなで行う
こと”の中で最もやってはいけないことは何でしょう?
数ある中で最も初歩的なことが『私語』です。
今日の大会は高校生の宇野弦汰指導員に大会の実行委員長を務めていただいています。
高校生という立場でこれだけのことを取り仕切ることは非常に大変なことだと思います。
しかしこういった中で人を動かす難しさであったり、人のせいに出来ない状況で自分がど
うするべきかを考える経験になればと任せています。
誰が実行委員長を務めているかという事はさておき、取り仕切る立場の者にとって、自
分勝手な行動をする者は、大変邪魔なものです。
しかし、それはこちら側(運営側)の話であって、私語をする方たちには関係のないこ
とです。運営側は嫌な思いをするかもしれませんが、私語をしている方たちには何の害も
ありません。
運営側としては予めそういう方がいるという事を理解して対処すれば良いだけのことで
す。
では私語をする側の方にとって、本当に害がないのかというと、そうではないという事
を今から話していきます。
私語をするという事はどういうことかというと、”相手(みんな)のことより自分のこと
を優先する”ということです。
ここで生きる上での大前提を説明しますと、世界いる人間があなた一人だったとしたら
どうですか?食べ物はあるとしましょう。テレビなどもあるとしましょう。しかし何をし
ますか?そこに生きる意味など無いと思います。自分以外の人がいて初めて人生に意味が
生まれます。
その上で相手の事よりも自分の事を優先して上手くいくでしょうか?
皆さんは今日朝起きてから鏡で自分の姿を見ましたか?私も1週間前に美容師にお任せ
で切っていただいた髪形が気に入らないので今日はよく見てきました。
形のあるものは鏡を見れば見ることが出来ます。しかし人間の心はそうはいきません。
ではどうすれば自分の心を見ることが出来るでしょうか?それは相手を見ることです。
自分を映しだすものはいつでも相手(自分以外の人)です。
自分を優先する習慣のある人は、自分の姿が見えなくなるという事です。
皆さんは顔に何がゴミなどが付いていたら取るでしょう。頭の上に鳩が乗っていたらど
うしますか?ズボンのチャックが開いていたら恥ずかしいので閉めるでしょう。
これは心にも同じことが言えます。気付けば人は直すことが出来るのです。しかし気付
かない人はそのまま生きていくことになります。
そしてそれは大なり小なり人間である以上、誰にでもあります。完全に自分の姿を見る
ことは出来ません。
だからこそ、人と関わる時は出来るだけ相手の事を、周りの人の事を考える習慣を持っ
た方が良いよというお話です。
㈳日本ITF テコンドー協会
理事長岸玄二
2020 年2 月23 日第18 回愛知県テコンドー選手権大会にて
 
 

 
今日は道場で実践すべき基本的なことについてお話させていただきます。
私が大切にしてる基本的なことは3つです。
一つは明るい挨拶、もう一つは整えることです。いずれも『行いには心が伴う』という
私の武道論が元になっています。”行い”を変えることで”心”は変わります。どう生きて
いくべきなのかを考えると明るく前向きに生きるべきだと思います。そのために人との関
わり合いの基本となる挨拶は明るく行うべきです。たとえ気分が沈んでいたとしてもです。
沈んでいるから沈んだ行動をしていると、本当に沈んでしまいます。
また整えることが武道の基本です。礼を整える、これは作法です。道着を整える、言葉
を整える、型を整える。全ては心を整えるためです。
今日は最後の一つ、『線を引くこと』について掘り下げていきます。
線を引くという事は、『あなたと私は同じではない』ということです。しかし人間は同じ
になりたがります。なぜなら楽しいからです。分かりやすい例が”友達付き合い”です。
当然ですが、それはそれでとても大切なことです。生きるうえで友達は必要不可欠です。
しかし今テーマとしているのは武道を修練する上で何が必要かということです。修練する
という事は自分を成長させることが目的です。しかし友達付き合いで成長できるでしょう
か?それは難しいと思います。相手と自分の間に線を引き、”違い”を明確にさせてこそ、
”自分”も明確になり、これからの”なりたい自分”との違いも見えてきます。
つまり、線を引くことは”成長の条件”です。
では道場で”線を引くこと”を実践できることが何かを考えてみます。
それは『礼儀』です。目上の方に対して明確に線を引くことが出来ます。
道場のあり方も様々ですので、先生と練習生が友達関係に近いこともあるかと思います。
しかしそれを否定する気はありません。ただ目的と手段は合わせるべきだという事です。
成長を求めるのであれば礼儀をしっかりと実践するべきだと思います。礼儀とは堅苦し
いと思われがちですが、礼儀とは本来、日本人にとってカッコいいものです。この価値観
は広めていきたいと思っています。
最終的には成長するために、自分の中でも線を引く必要があります。ここまではOK、こ
こからはNG、どんどん自分の中に線を引いて、自分を制限していく必要があります。
水に例えると、同じ体積でも面積の広い皿に水を入れると水は横に広がります。逆に面
積の狭い筒のような容器に入れると水は高いところまで行きます。
人間も同じことだと思います。そして目に見える自分と相手の間に線を引けない者が、
目に見えない自分の中に線など引けるわけがありません。
成長を望むのであれば、まずは礼儀を道場で実践してみてください。
㈳日本ITF テコンドー協会
理事長岸玄二
2019 年9 月22 日第5 回関東大会にて
 
 

 
私が考える武道における精神性とは『行いには心が伴う』というものです。
これはいかなる行動にもそこには心が伴っているという事で、”行い”を変えることで
”心”を変えていくことが武道における精神性の修養だと考えます。武道を修練する目的
として私は『自分を(より良く)変えていく』ことが第一の目的であるべきだと考えてい
ます。テコンドーを通じて人をより良く育て、そしてそういった方達が社会に出ていくこ
とで社会をより良く変えていくことが私が本組織を運営する第一の目的であり目標です。
今日は物を大切にするということについての考え方を紹介します。
「家や学校で物を大切にするように教わりましたか?」という問いに対して、ほぼ全て
の子供たちが手を挙げてくれています。では「なぜですか?」という問いに対しては、あ
る程度の考えはあるようですが、声には出して説明は出来ないようです。
それはそれで当然のことで、子供に説明まで求めようとは思いません。
ただ数ある考え方の中で、こう考えてはどうかという考え方を紹介します。
”物”は言葉を発することは出来ません。なのであなたが練習道具のミットやグローブ
を投げたり、足で動かしても”物”は何も言いません。
しかしこれが”人”であったらどうでしょうか?動かしたいからといって投げたり足で
動かして良いでしょうか?それはダメに決まっています。
何が言いたいかというと”物”=”言葉を発さない人”。つまりは自分より立場が弱かっ
たり、力が弱かったりする人への対応を表しているという事です。
私も年齢も年齢ですので、偉そうなことは言えませんが、それでもそういった目線で多
くの”人”を見てきたつもりです。そうやって見ていると、上記の事は大体整合が取れて
います。物を雑に扱う方は、人の上に立つと目下の者に対して平気で心無い対応を見せた
りするものです。
物をどう扱うのかということは、多くの場合が”無意識”です。そして”習慣”です。
ここで知っておきたいことは、”習慣”というものが何を生み出すかという事です。
それは”考え方”を生み出します。
そして”考え方”が”行動”を生み出します。その”行動”が皆さん一人ひとりの人生
を作り上げていきます。
つまり、”無意識”に行っていることで、自分の人生が実が決まっていっている、変わっ
ていっているということです。
しかし誰もそのことには気付きません。なぜなら自分の無意識の心のあり方が自分の人
生の表舞台に出てくるまで10年かかるからです。なので1日1日の微量な変化には誰も
気付きません。
私が伝えたいことは、だからこそ”意識”をして自分の習慣を作る必要があるというこ
とです。今回のテーマで言えば、物を大切にできる人は、人(特に目下の者)を大切にで
きる心が身に付くという事です。
「習慣を作りなさい!」
と言う気はありません。自分がどうなりたいのか、どう生きていきたいのかを考えて行
動してみてください。
明るい挨拶は明るく前向きな心を作ります。整理整頓、整えることは自分の心を整えま
す。身の回りが散らかっていると、知らず知らずドタバタした毎日になっているでしょう。
”道場”とはより良い習慣を身に付ける場所でもあります。
”どう生きていきたいのか”に対して、より良い習慣を身に付けてはどうかと思います。
㈳日本ITF テコンドー協会
理事長岸玄二
2019 年8 月25 日第22 回岐阜県テコンドー選手権大会にて